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海洋資源× SDGs 〜「目標14. 海の豊かさを守ろう」の解説と取り組み事例〜 SDGs blog Vol.5

こんにちは!

経営企画室の真口です。

 

リモートワークをしていると、日も暮れる頃にスーパーに買い物に行く往復20分が貴重な散歩の時間になってきます。

快晴が続くこの季節は都内でもこんなにくっきり星が見えるんだなあ、なんて思いながらキリっとした寒さの中を歩いています。

そういえば今年は金木犀の匂いをあまり嗅ぐことが無かった。外出がめっきり減った証拠ですね。

来年の今頃は誰にだって安心して会いに行けますようにと、祈るような気持ちでこの記事を書いています。

 

さて、このSDGsブログでは、Tsunagaru社内での勉強会を元にSDGsの基礎知識から具体的な取り組み方法、参考になる事例などの情報を発信しています。

 

前回のブログでは、目標4「質の高い教育をみんなに」についてご紹介しました。

 

今回は、SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」を取り上げたいと思います。

私たちの生活に不可欠な海洋と海洋資源。その豊かさが、私たちの普段の生活によって脅かされ続けていることを知る必要があります。

どんな問題が起きていて、私たちはどう行動していくべきなのか? 目標14のターゲットや具体的な取り組み事例をみていきましょう。

■目標14「海の豊かさを守ろう」のターゲット

 

 

SDGsは17の目標と、その目標を実現するための詳細なターゲットで構成されています。

SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」のターゲットは次の通りです。

 

14.1:2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。

14.2:2020年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う。

14.3:あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響を最小限化し対処する。

14.4:水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。

14.5:2020年までに、国内法及び国際法に則り、最大限入手可能な科学情報に基づいて、少なくとも沿岸域及び海域の10パーセントを保全する。

14.6:開発途上国及び後発開発途上国に対する適切かつ効果的な、特別かつ異なる待遇が、世界貿易機関(WTO)漁業補助金交渉の不可分の要素であるべきことを認識した上で、2020年までに、過剰漁獲能力や過剰漁獲につながる漁業補助金を禁止し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業につながる補助金を撤廃し、同様の新たな補助金の導入を抑制する**。
**現在進行中の世界貿易機関(WTO)交渉およびWTOドーハ開発アジェンダ、ならびに香港閣僚宣言のマンデートを考慮。

14.7:2030年までに、漁業、水産養殖及び観光の持続可能な管理などを通じ、小島嶼開発途上国及び後発開発途上国の海洋資源の持続的な利用による経済的便益を増大させる。

14.a:海洋の健全性の改善と、開発途上国、特に小島嶼開発途上国および後発開発途上国の開発における海洋生物多様性の寄与向上のために、海洋技術の移転に関するユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを勘案しつつ、科学的知識の増進、研究能力の向上、及び海洋技術の移転を行う。

14.b:小規模・沿岸零細漁業者に対し、海洋資源及び市場へのアクセスを提供する。

14.c:「我々の求める未来」のパラ158において想起されるとおり、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用のための法的枠組みを規定する海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)に反映されている国際法を実施することにより、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用を強化する。

 

 

目標14は、海洋資源を保全し持続的な開発を実現するための課題を提起しています。

沿海部や海域は地球の表面積のおよそ70パーセントを占めています。海洋や海洋資源は、人間の福祉や世界の経済社会開発において不可欠の役割を果たしています。

 

しかし、世界では海洋汚染がかなり深刻な状況となっています。

 

その原因は様々なものですが、8割が陸地からの影響、二酸化炭素や農業及び工業排水、未処理の下水や油、栄養塩類、堆積物、海洋ごみなどに起因すると言われています。

特にプラスチックごみが海洋に流れ込むと、徐々に破砕されマイクロプラスチックとなり、海洋生物が誤飲してしまうことなどによる生態系への深刻な影響が懸念されます。

 

他には、大気に放出される二 酸化炭素の増大に伴う、海洋温暖化、海中酸素欠乏、 海洋酸性化の問題もあります。また。温室効果ガスが増加し海水温が上昇すると、その影響で酸素量が低下して水中が酸欠状態となり、生物に酸欠被害をもたらします。海に吸収された二酸化炭素は、海水の酸性度を高めます。海洋酸性化は、サンゴのような石灰化生物やプランクトンや甲殻類など他の生物相の生命、繁殖力、成長にも影響を及ぼし、食物連鎖を乱します。

 

さらに、魚の獲りすぎや違法漁業も水産資源に被害を与えています。

健康ブームが高まり、肉より魚を食べる人が世界中で増加傾向にあり、より多くの魚介類が消費されるようになったことから魚の量が減っています。

違法漁業の被害も多く、今後このような過剰資源の利用が続けば、安定的な供給どころか海洋資源が利用できないといったこともあり得るかもしれません。

 

このように目標14に関連する問題は、私たちの普段の生活と深く結びついています。

海洋ゴミを減らすこと、二酸化炭素の排出量を削減すること、必要以上に魚を消費しないようにすること。

どれも一人一人の行動から始められることだと思います。以下の事例を参考に、出来ることから取り組んでいきましょう。

 

参考リンク:海の豊かさを守ろう - 国際開発センター

 

 

■「海の豊かさを守ろう」に関わる取り組み事例

 

ここからは、目標14に関して私たちが見つけた、素敵な取り組み事例をご紹介します。

「SDGsへの取り組み」を必ずしも謳っていない事例もありますが、SDGsの思想につながり、サスティナブルな社会を創っていくことに貢献しているという観点で選ばさせていただいています。

 

「捨てる」という概念を捨てる!容器再利用プラットフォーム「Loop」

アメリカのリサイクルベンチャーのテラサイクルジャパン(合)は、2021年3月よりイオンやP&G、味の素、キリンビール、大塚製薬などが参加する容器再利用・リサイクルのショッピングシステム「Loop(ループ)」を開始すると発表しました。

大手メーカー21社の食品や飲料、洗剤、シャンプー、化粧品などをイオン店頭やECサイト「Loop」にて販売予定です。

「Loop」は、日用品の容器を使い捨てからリユース可能で耐久性のある機能的なデザインに変える循環型のショッピングプラットフォーム。簡単に言うと牛乳配達のようなビジネスモデルです。

ユーザーが専用のウェブサイトから商品を注文すると商品が自宅に配達されます。そして使用後に空き容器専用のバッグに入れて返送。再び商品を購入すると、洗浄して充填された商品が届きます。

商品購入の際に商品の金額に加えてデポジット(預り金)を支払い、容器を返却するとデポジットが返金される、という仕組みになっています。

 

 

かつて多くの商品は、ガラス瓶で家まで配達され、使用後に回収・再利用されていました。しかし、安くて便利な使い捨ての文化が一般的になるにつれて、ゴミ問題が台頭してきました。

ゴミ問題の本質は、容器を軽く・安く作ったことで原料価値が減り、コストをかけてリサイクルする経済合理性がなくなったという点。そのため、便利さとコストの問題を同時に解決する必要があります。

10円で使い捨て容器を作るより、50円かけて30回使い回せる容器を作ったほうがコストを抑えらる。テラサイクルでは容器包装会社と協働し、「Loop」専用の容器の作り方やノウハウをメーカー側に伝えています。また、「Loop」では洗わずに捨てるのと同じ感覚で回収バッグに入れるだけでよい仕組みを創ることで、ユーザーにとっての利便性も叶えています。

アメリカでは既に多くのユーザーに「Loop」が利用されていますが、何よりもまず便利でデザイン性が高いという理由で「Loop」を使っているという声が多いそうです。

日本での提供開始が待ち遠しいサービスです。

https://loopjapan.jp/

 

ブロックチェーンで廃棄プラスチックを仮想通貨に変える「プラスチックバンク」

海を汚染する廃棄プラスチックの約8割は、廃棄物管理のインフラが整っていない後進国から流出していると言われています。

問題の根源的な解決には後進国でのリサイクル活動が必要になりますが、貧困にあえぐ人々にはその余裕がありません。

そこで、プラスチックによる海洋汚染と貧困層の救済の2つの問題を一気に解決するというコンセプトのもとに生まれたのが「プラスチックバンク(Plastic Bank)」です。

「プラスチックバンク」は、使用済みのプラスチックを回収してリサイクルし、製造業者や大手小売業者などに販売するビジネスを展開しています。

画期的なのはその回収の仕組みです。回収されたプラスチックを現金ではなく一種の仮想通貨で買い取ることで、回収員がその仮想通貨を使って食料や水、日用品などを購入できる仕組みを作ったのです。

この仕組みの基盤を支えているのがブロックチェーンです。「プラスチックバンク」は回収員に対してブロックチェーン上で発行されたデジタルトークンとして報酬を支払い、回収員はこのトークンを使って加盟店で商品を購入することができます。

「プラスチックバンク」の現在の活動拠点はハイチやフィリピンといった途上国がメインですが、同じ仕組みを世界中のどこでも展開することができると創業者のデビッド・カッツ氏は語っています。

https://www.mugendai-web.jp/archives/9104

https://plasticbank.com/

 

ゴミを拾うついてに、ビーチマネー(ビーチグラス)も探さない?

「ビーチマネー」は、世界中のビーチをキレイにすることを目的として発足した地域通貨です。

湘南の海辺から始まった「ビーチマネー」は、ビーチグラス(海岸に落ちているガラス片)を加盟店へ持っていくと、海岸のごみを拾ってくれたお礼として磯魚やドリンクなどのサービスと交換してくれる、というもの。

ビーチグラスとは海岸で見つかるガラス片の事で、海岸の岩や石などによって砕け、長い時間自然の波や砂利に揉まれ、角が取れてきれいな曇りガラスのような風合いになったものです。

そもそもは、茅ヶ崎に本社を置く洗剤メーカー「がんこ本舗 」に来られたお客様との会話からオフィスに立寄られた皆さんに、仕事が忙しい自分たちに代わってビーチクリーンをしてきて欲しい、と頼んだのがはじまりだそうです。

そして「せっかくだから、ビーチグラス拾ってきて~」「お礼に欲しい商品をおまけするわ!」という古き良き時代のような感謝の気持ちの交換からビーチマネーの仕組みが誕生しました。

代表の堀直也さんは、「最大の目的はビーチグラスと一緒に海岸のごみを拾ってもらうこと。世界中のビーチをキレイにすること」だと話しています。

現在、ビーチマネーは、北海道から沖縄までの26都道府県、アメリカ、台湾の(181店舗)の加盟店で利用できるそうです。

https://beachmoney.jp/

 

くら寿司「漁業創生プロジェクト」

回転寿司チェーン「無添くら寿司」を運営するくら寿司株式会社は、大手回転寿司チェーンで初の取り組みとなる「漁業創生プロジェクト」を開始しています。

2010年から同社が取り組んでいる「天然魚プロジェクト」(仕入から販売まで全て自社で行う天然魚にこだわった「くら天然魚市場」の運営や、天然魚用の自社加工施設の運営など)を進化させる形で取り組みの領域を広げていくというこのプロジェクト。

国産天然魚の骨やアラなど食べられない部位を養殖魚の飼料の一部として活用し、獲れた魚を余すことなく100%使い切るという「さかな100%プロジェクト」や、特定の漁港で獲れた魚をすべて買い取る一船買いのうち、未成魚を集めて寿司ネタにできるサイズまで育てて商品価値の高い成魚として出荷することを目指す「天然魚 魚育プロジェクト」、さらに、循環フィッシュ(※)の売り上げの一部を一般社団法人全国漁業就業者確保育成センターへ寄付し、新たな漁業就業者確保のために還元するという取り組みを行っています。

※循環フィッシュ:くら寿司が仕入れた国産天然魚の骨やアラといった食べられない部位を餌の一部に活用し養殖した魚。養殖用の餌は近年、高騰が続き、養殖業に携わる方々の経営を圧迫する要因となっていますが、この取り組みによって餌のコストダウンを実現することができているそうです。

https://www.kurasushi.co.jp/mirai/fish.html

 

 

いかがでしたか?

目標14の課題、特に海洋ゴミに関する問題は、私たちの一人一人の日常生活を見直していくことから始める必要があります。

プラスチックの利用を減らすためのマイバックや紙ストローなど、政府や企業主導の大きな動きは浸透してきましたが、家庭やオフィスで出来ることもまだまだあるはずです。

Tsunagaruが運営するサスティナブルセレクトショップ「&anika」でも、プラスチックを使わず環境にも人にも優しい商品をご紹介しています。

問題を「知ること」が出来たら、次は「小さく動いてみること」。

海の豊かさを守っていくために、自分に出来ることからはじめてみませんか?

 

次回は、「目標12. つくる責任 つかう責任」をテーマにお伝えする予定です。お楽しみに!

 

真口 くるみ

経営企画室

北海道育ちの寒がり。大学卒業後に上京。
来るもの拒まず「できる」を増やす精神で、主にWeb系ベンチャー企業にて幅広い職種を経験。TsunagaruでもWebディレクターからサービス企画、広報など肩書き問わずに携わっています。
幼い頃から大の漫画好き、読書好きで1分の隙間時間も読み物必須。
そして、三度の飯よりモノが好き。美しいモノを創る人間が好き。
見た目で恋するタイプです。

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